第3章 聖なる夜に
翔side
「抱いて欲しい…」
智くんの口から初めて聞く言葉に、動揺が隠しきれず、答えることができない。
不安に思ったのか、智くんが俺を見上げる。
その顔は真っ赤で…
言葉で答える代わりに、彼の身体をゆっくりとベッドに横たえた。
驚いたように開かれた瞳が、所在なさげに泳いでいる。
瞼に口付け、塩分を含んだ水滴を舐めとった。
緊張しているんだろう…睫毛が小刻みに震えていた。
手をそっとスウェットの裾から忍び込ませると、一層緊張した様子で、唇を強く噛み締めた。
「怖くないから…」
安心させるように、耳元で囁きかけ、口付けると、彼は小さく頷いた。