第6章 Piece of My Heart
ぎゅうっと抱きしめたまま、眠りこけた。
気がついたら、外は真っ暗になってて。
和也の顔をみたら、天使のような顔をして眠ってて。
さっきまであんなに淫らに俺を誘ってたのに。
和也を抱え上げて、風呂場に行く。
身体を丹念に洗っていると、和也が目を覚まして俺に抱きついてきた。
「どうしたの?和也」
「いっしょ…」
「えっ?」
「いっしょです…しょう…」
ぽつりと言ったまま、和也は黙った。
俺は和也を抱きしめて、そのまま背中をぽんぽんとたたいた。
ずーっといっしょだよ。
和也。
お風呂から上がると、アイスクリーム。
和也の大好きなバニラのホームランバー。
俺は、ハーゲンダッツ。
…だってこっちのほうが美味しいんだもん。
和也があっという間に、ホームランバーを食べてしまったから、俺はちびちび食べてたハーゲンダッツをスプーンで口に入れてやる。
和也は目をまんまるにして、びっくりしてた。
「おいしいだろ~?」
「あまいっ!」
ぷりぷり怒って水を飲みだした。
お前…貧乏舌かよ…
でも和也は俺からハーゲンダッツをとりあげると、スプーンを持って、俺に最後まで食べさせてくれた。
からっぽになると、にこっと笑った。
「ありがと。和也」
「んふふー…しょうさん、あかちゃん」
「ばっ!ばか!」
こんななんでもない時間が、幸せだ。