第8章 Bye Bye Baby
そのまま櫻井さんのマンションへ向かった。
櫻井さんの在室を確認すると、マンションに入り込んで、部屋のポストに直接手紙を投函した。
そのままマンションの下にある公園に行った。
和也くんが大好きだったブランコがあった。
いつも公園にいくたびに、背中を押せと何度も何度もねだられて。
あの年になったのに、まだブランコが好きで…
あれから、5年も経ったなんて…
私の中の和也くんはあの頃のままで…
今頃、どんな大人になってるんだろう。
会いたいような…照れくさいような…
ふと見上げると、櫻井さんがベランダに佇んでた。
…これで安心していける…
私は身体のなかから溢れるものを処理できなかった。
そのまま一礼すると、櫻井さんを見上げて笑った。
無理やり笑った。
涙が出てきてしょうがなかった。
櫻井さんがベランダに出てこなくても、本当はいくつもりだった。
でも、出てきてくれた…
和也くんを…よろしくお願いします。
櫻井さん、あなたしかいないんです。
そして、暗闇から和也くんを救い出してやって下さい…
私の代わりに…