第30章 彼と俺の未来
廊下をバタバタと走る音が 聞こえてドアが開くと父親が駆け込む。
『和也… おい。
パパ来たぞ。 急いで来たんだけど…
待ちくたびれちゃったか?
なぁ。 和也…』
懸命に和也に声をかける父親に 先生が静かに伝える 。
『先程 10時48分
ご臨終です…』
先生を見上げ睨むと
『…なに言ってんだ?
おい! 起きろっ。
今度休み取って買い物一緒に 行く約束だろう…
二十歳には一緒に酒飲むんだろ…
パパ 楽しみにしてたんだぞ
なぁ
和也…。 和也!
パパとママこれからどうすればいいんだよ…』
二人の泣き声がいつまでも響く中、先生や看護婦も涙を 拭い病室を出て行った。
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