第29章 光と影
あっという間に 二人のチームは勝ち進みダブルスではこの 二人のクラスが優勝した。
表彰式に上がったのは生田だけで、翔の方は試合が 終わるとそそくさと片付けを始めると、
あのキャーキャー言われていた相葉の元へと駆け寄るとハイタッチをして
そのままどこかへと消えて行ってしまった。
呆然と立ちすくみ翔の背中を眺める和也の後ろか ら
『… あれが 櫻井翔先輩。』
そう俊介の声がしてやっと周りの景色が見えてきた。
『…凄い よ。 ありがとう…俊介。
… 見つけたよ…。』
そうつぶやいて、和也は俊介の手を握った。