第34章 輝くライトの中へ
そう決心したら、スーッと気持ちが楽になった。
素直な気持ちを話せばいい。
カッコ悪くってもいいや…
だって、どんな俺も、俺なんだから。
カズはきっと分かってくれる。
このまま、悶々とした気持ち抱えて、いいコンサートなんか作れない。
風呂から出たら、カズはいつものようにゲームをしていた。
「風呂入っちゃえば~?」
背中に声を掛けると、
「んん...」
と、気のない返事をしたけど、
俺が冷蔵庫からビールを出してきて飲み始めた時にはゲームを止めて立ち上がったから、風呂に行く気なんだろう。
「今日のは、登別だよ♪」
↑温泉の素を入れたのね~...
俺の言葉に、カズは振り返り親指を立てて、ニッコリした。
......これだよね~、この笑顔(^^♪
何かちょっと言い合いしても、いつもこの笑顔で許しちゃうんだ。
拗ねた顔も、ふて腐れた顔も、甘えた顔も、
カズの見せるどんな顔も、
俺...やっぱり大好きなんだ。
......思い出した。
やきもち妬くのも、意地になるのも、思ってることと反対の事言っちゃうのも...
好きだから...なんだ。
毎日一緒に居て、いろんな顔を見てきても...
その気持ちはちっとも変わらない。
......いや待て。変わったな~...
もっと好きになっていく。
↑あの~...そろそろいいでしょうか~?
あっ!!カズが出て来た。
俺はカズがリビングに入ってくる気配で、ソファーの身体を預けて眠った振りをした。
「...翔~?俺もビール...あれっ?寝てるのか...」
冷蔵庫を開けて、ビールのプルタグを引き、俺の隣に腰を下ろした。
目を閉じていても、カズの動線が、目に浮ぶようだ。
ゴクゴクと喉を潤してから、俺の顔を見た...
そうでしょ??