第21章 危機

───ベッドの上....

俺は、翔さんの腕枕で
甘い余韻に浸っていた。


「...まるのこと、ごめんね..
俺の悪い癖が出ちゃって...」

翔さんは優しい瞳のまま、

櫻「懲りたよね？...気をつけてよ!!」

と言って、おでこをそっと弾いた。

「あいたっ!!...
でも...まる、こっち...なのかな～？」

櫻「そんなのに関係なく、
カズは可愛いんだから、
油断しちゃ、ダメなの!!!」

「可愛い？？俺が？」

櫻「ほらっ...そーゆーとこ!!
無意識なの～？危なっかしくて、
ほっとけないよ///」

翔さんは、そう言いながら、目を細めた。


そんな翔さんに抱きつき、下から見上げながら、今度は、無意識じゃなく、
最上級の『かわいさ』で言った。

「じゃあさ♡ほっとかないで....
ずうっ～と、見てて♡俺のこと♪」


『参ったな..』とでも言いたげに、

照れ笑いを浮かべながら、
顔をゆっくりと近づけてきた...

いつも、
この瞬間が、たまらなく、好きだ。
『キスされる...』
って、目蓋を閉じる、この時が...


『翔...冗談で言ったんじゃないよ..
ホントに、ずっと、見ててね...
俺のこと...ずうーっとね...』


この日、何度目かの
キスを受け入れながら、
俺は心の中で、
そんなことを呟いていた。