第9章 結婚式
「うーん…」
ゆっくりと目を覚ますと、目の前にはぐっすりと眠る翔の姿。
あの後そのまま寝ちゃったのか…。
「ふぁぁ…」
欠伸をしながら伸びをすると手元に何かが当たった。
「ん?」
見るとほったらかしになったビデオカメラ。
手に取って調べるとまだバッテリーは生きている。
「………最後に寝起き撮っとこうかな…」
俺は録画ボタンを撮り、翔を映した。
翔「すぅ…すぅ…」
「………可愛いな…俺の奥さん…世界一可愛い…」
顔を寄せ、キスをすると眉間がぴくりと動く。
翔「んぅ…」
「翔…おはよ」
翔「んー…おはよ…」
うっすらと目を開け、俺と目が合う。
翔「また撮ってんの…?もうしないよ…腰が限界…」
寝起きの掠れた声で言いながら翔は枕に顔を埋めた。
「いや、流石に俺も無理だよ。昨日は翔に全精気吸いとられた感じだから」
翔「ふふっ…ばぁか…」
クスクスと翔が笑いながら俺を見つめる。
「………どうだった?」
翔「………結婚式?それとも…?」
「じゃあ…まず結婚式の感想」
翔「………最高だったよ。世界で1番幸せだった。潤のタキシード…凄く格好良くて見とれちゃった。ありがとうね」
「翔のタキシードも綺麗だったよ。本当天使みたいだった。いや、だったっつーか天使だな」
翔「ふふっ。ありがと」
「じゃあ…えっちは?」
翔「………気持ち良かった…です、よ…」
ほんのり顔を赤らめながら翔が微笑んだ。
「撮られて興奮した?」
翔「………まぁ、ね…」
「帰って観てみる?」
翔「やだよ恥ずかしい」
「良いじゃん。凄かったって翔」
翔「観ない!」
「えーせっかくだから観ようよ」
翔「観ーなーい!変態!」
笑いながら翔に頭を小突かれる。
「どうせ俺は変態だよ!」
ビデオを枕元に置き、俺は翔を抱き寄せた。
翔「やーもう!重い!」
「夫の命令だ!来なさい!」
翔「あははっ!DVだDV!訴えてやる!」
「このやろっ!」
翔「いやー!」
ベッドの中でキャッキャと笑いながら俺達はイチャついた。
永遠に忘れない最高の一日。
こうして俺達の結婚式はあっという間に終わりを告げた。