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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第7章 想いの交差


ー潤sideー


「翔…あのさ」


少し身体を離し翔を見つめる。


翔「どしたの?」


翔が顔を上げた。


今日…俺にはもうひとつ、やりたい事があった。


「受け取って欲しい物があるんだ」


翔「ん?」


俺はポケットに手を入れ、そこに入れていた物を取り出した。


翔「………」


小さな箱に入ったそれを翔に見せながら蓋を開く。


翔「………潤…」


「一緒に買いに行こうかとも思ったんだけど…翔の喜ぶ顔見たくてさ」


俺が差し出した目の前のペアリングを見て、翔は静かに涙を流した。


「松本翔さん。着けてくれますか?」


翔「………はい…ぐすっ…」


俺は指輪を手に取り、翔の左手の薬指に着けた。


翔「ふぅっ…うっ…」


ボロボロと大粒の涙が翔の瞳から溢れた。


「俺にも着けて?」


翔「ぐすっ…ばい…」


ばいって…。
もう…可愛いなぁ。


少し震える手で指輪を取り、俺の薬指に着けてくれた。


翔「ふぇんっ…!潤!」


直ぐに翔が俺に飛び付いて来たから慌てて抱き締めた。


翔「ぐすっ…ふっ…うぇぇん…」


「ちょっ、翔…そんなに泣かなくても…」


翔「潤が悪いんじゃん!こんな事するから潤のせいだから!!馬鹿!!愛してる!!」


「翔…」


翔「愛してる…愛してる…愛してる…ぐすっ…愛してる…」


「駄目だって…そんなに何回も言われると俺も泣きそうだから…」


翔「何度でも言うよ…潤愛してる…ありがとう…」


「俺も愛してるよ。喜んでくれてありがとう。こんな泣き虫の翔も見れたしサプライズ成功だな」


翔「ふふっ…もう」


俺達は抱き合ったまま、微笑み合った。


翔「潤…キスして」


「え?」


一瞬自分の聞き間違いかと疑った。


「ここで?」


翔「うん」


「え、でも…ここ役場前…」


翔「潤がこんな事するから…我慢出来ないの。駄目?」


涙に濡れた大きな瞳で見つめられる。


「しょうがないなぁ。甘えんぼの奥さん」


翔の頭を撫で、抱き締めながら翔にキスをした。


案の定、俺達のこのキスが通りすがりの人達に見られ、写真が出回り、後日事務所にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。
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