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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第5章 結婚までの道のりー後編ー


俺と潤が付き合い出したのは嵐がデビューしてから1年後の記念イベントの夜だった。


ディズニーアンバサダーホテルでのイベント後、ホテルの部屋で俺は告白された。


でも…付き合いが深まれば深まる程俺は怖くなった。
どんどん潤にのめり込んでいく自分。俺を愛してくれる潤。
同じアイドルであり同じグループである俺達に未来はあるのか。
今思えば子供だった。
潤だって考えてたのに。俺からすれば何も考えずに過ごしてる様に思えて。
しなくていい喧嘩をして…俺は…どんどん後ろ向きになった。
結果…潤を手放してしまった。


でも心のどこかで…別れても潤はずっと俺の側に居てくれてるなんて自惚れてて。


そんな自尊心は…見事に打ち砕かれた。


俺と別れた数ヶ月後、ドラマで共演した井上真央ちゃん。
彼女と付き合ってると聞いた時…俺の心は絶望で満たされた。
あの1年間は思い出したくもない。
潤の居ない1年間。
潤は俺にとって…何よりもかけがえの無い存在なんだって思い知らされた。
だから俺は…素直に、正直に俺の気持ちを潤に伝えたんだ。


真央ちゃんは…役柄のイメージで気の強そうな印象だったけれど実際はおっとりしてふんわりとした優しい女性だ。
潤と別れる時も…静かに受け入れてくれたと言っていた。


そんな優しい女性を…俺のせいで傷付けてしまった。
今でも罪悪感は消えない。
でも…あの1年間…潤の側に居た。
潤と一緒に居て…潤とキスして…潤と寝ていた。
そう思うと腸が煮えくり返りそうになる。


潤は正直だ。嘘が付けない性格。
その潤が言っていた。
彼女との事は遊びではなかったと。
ちゃんと好きだったと。
ただ…俺を越える事が出来なかっただけだと。


だからこそ…彼女の名前を見るのも聞くのも辛い。
罪悪感と嫉妬の塊になる。
平静を保てなくなる。


彼女が嫌な女だったら…こんな気持ちにはならなかっただろう。
むしろそっちであってくれた方が楽だった。
でも…彼女は良い子で。彼女から潤を奪った俺にも優しかった。『潤くんを宜しくお願いします』と笑顔で握手してくれた。『櫻井さんなら諦められる』と。
凄く凄く…良い子。潤が好きになったのも分かる。俺も彼女が好きだ。
だから苦しいんだ。


俺は…いつになったら彼女の呪縛から解放されるのだろう。
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