第20章 Scream
ー翔sideー
一面に広がる花畑。
そこで俺は…腕に赤ちゃんを抱いたまま座っていた。
「可愛い…俺の赤ちゃん…」
ぎゅっとその小さな身体を抱き締める。
愛しい愛しい…小さな身体。
「え…」
すると突然…赤ちゃんが宙に浮いた。
見ると…背中にはさっきまで無かった羽根が生えていて。
「まっ、待って…!」
手を伸ばしたけれど…俺に似た可愛い天使は優しい微笑みを浮かべながら…どんどん上に上ってしまう。
「やだ…待って行かないで!俺の赤ちゃん…!」
走っても走っても…追い付かない。
赤ちゃんは…ついに見えなくなってしまった。
「待って…待って…!いや…!」
潤「翔!」
目を覚ますと…潤が俺の手を握りながら俺を見つめていた。
「………」
潤「良かった…良かった…」
涙を流しながら…強く俺の手を握られる。
回りには…俺達の家族と…メンバーがホッとした様子で俺を見つめてる。
「………赤ちゃん…居なくなっちゃったんだね…」
潤「………」
俺は…片方の手をお腹に当てた。
「………女の子だった…」
潤「え…」
「………ごめんなさい…潤…ごめんなさい…」
潤「翔。謝らなくていいから」
「ごめんなさい…赤ちゃん…守れなかった…っっ…ひっく…ごめ…」
潤「翔は悪くない。悪くないから…悪いのは俺だよ…」
「ひぐっ…赤ちゃん…赤ちゃん…」
潤「翔。今は…翔の身体の事考えよう。早く…元気になって」
潤が俺を優しく抱き締める。
俺は…涙が枯れ果てるまで…潤の腕の中で泣き続けるしか出来なかった。