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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第19章 慟哭


「はぁっ…はぁっ…!」


乗り込んだエレベーターの『閉』のボタンを何度も押す。
ギリギリで、追い掛けて来たヨコとヒナも一緒に乗り込んで来た。


村上「どないなってんねん…」


横山「俺以外にも…そんな事してた奴居たやなんて…」


「………マネージャーだ…」


村上「え…?」


「翔にそんな事出来るの…あいつしかいねぇよ。それしかありえねぇ」


横山「………まさかそんな…」


エレベーターが開き、俺達は駐車場へと足を踏み入れる。


村上「松潤あれ…!」


ヒナが指差した方を見ると…ハザードランプをつけたまま壁に擦り停車してる翔マネの車があった。


「翔…!」


叫びながら駆け寄ると、そこには思いもよらない光景が広がっていた。


横山「お、おい!どうした!?」


車の扉が開き、傍らには…頭から血を流して倒れる翔マネの姿。
翔の姿は…無かった。


「おい!どういう事だ!起きろ!」


俺は翔マネを揺さぶった。


翔マネ「………ぅ…」


ゆっくりと…翔マネが目を覚ます。


横山「大丈夫か!?」


翔マネ「………まつも…さ…すみ…せ…」


「大丈夫か!?翔は…翔はどうした!?」


こいつも犯人じゃない…?


翔マネ「さくらいさ…まもれな…かった…」


横山「誰や?犯人誰や?」


翔「………け…び…いん…が…いきなり…」


「………警備員…?」


横山「犯人は…警備員?」


………記憶を思い返す。
………そう言えば。
ここに来る時…よく見かけた大柄の警備員が居た。
そいつは…確かに翔を見つめてた気がした。
優しい翔は…いつも笑顔で挨拶してた。
それはここだけでなくどの現場でも同じで…。
俺は気にも止めて無かったけど…。


そいつが…そいつが翔を…。


村上「警察…警察に電話…救急車も…」


横山「駄目や…大事になる。まずジュリーさんに連絡せんと…」


隣でヨコとヒナが慌てて話している。


翔…翔…!!


俺の耳には…もう全く何も聞こえる筈も無く。
マネージャーの隣に落ちていた片方転がった翔の靴を…泣きながら見つめていた。
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