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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第19章 慟哭


村上「お前何言うてんねん…!」


動揺するヒナを尻目にヨコは首を振った。


「こんな状態でやってく勇気あらへん…」


「………」


俺のヨコに対する怒りは正直まだ収まらない。
一瞬…それでもいいと思った。
でも…翔は…。


翔「………けんな…」


横山「………」


翔「ふざけんなよ!!」


その瞬間、部屋に肌がぶつかる音が響く。


村上「ヨコ!」


勢いで倒れたヨコに慌ててヒナが駆け寄った。


横山「………翔くん…」


頬を押さえたヨコがヒナに支えられながら驚いた顔で翔を見つめた。


翔「こんな事しておいて…逃げんのかよ?逃げれば罪を償えるって思ってんのか!?」


横山「………」


「俺だって…今お前の目の前に居るの怖い…。簡単に許せない。許せる訳ない。でも…だからって逃げんのかよ!本当に…本当に自分のした事後悔してるなら逃げんな!!強くなれよ自分の為に!メンバーの…ヒナの為にも…!」


村上「………翔くん…」


横山「でも…やってく自信ない…」


翔「自信なくてもやんないといけないだろ!起こった事は…一生変わらない。だったら…これから変われよ!そしたら俺は…いつかお前を許せるかもしれないから…。だから逃げんな!」


「………」


俺の妻は…何でこんなに強いんだろう。
自分を襲った奴に…ボロボロの服のまま…そんな言葉を掛けられるなんて…。


横山「………ぐすっ…」


涙を拭いながら…ヨコは頷いた。
そしてその傍らにはヒナ。


程なくすると、慌てた翔マネが中に入って来る。


翔マネ「………これは…」


「ごめん。これ…見なかった事にしてくれ。もう終わったから」


翔マネ「………」


翔「お願い」


翔マネ「………分かりました」


「翔。とりあえず先に帰ってて?俺2人と少し話して帰るから」


翔「………ん…」


背中に掛けていた俺の上着のボタンを止め、立たせる。


「翔の事頼む。俺が帰るまで家に居てもらっていいか?」


翔マネ「分かりました」



そして翔を支えながら、2人は一足先にテレビ局を後にした。


村上「………」


「………これでやっと…本音言えるな…」


俺は振り返り、2人を見つめた。
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