第16章 1st Anniversary
ー翔sideー
「ん…」
目を覚ますと、目の前には潤の寝顔。
俺を抱き締めたまま眠っている。
「いっ、たぁ…」
猛烈な頭痛に襲われ頭を押さえる。
二日酔い…?
「………そんなに飲んだっけ…」
潤の腕の中で必死に記憶の糸を手繰り寄せる。
お祭り行って…帰りに…公園でえっちして…。
そのまま帰って…ご飯食べて…。
その時…。
考えてるとテーブルに散乱したグラスやアルコール瓶の残骸が目に入る。
「え…嘘だぁ…」
その大量の数に俺は目を丸くした。
2人で飲んだにしてもこの量…。
ぼんやりとそれを眺めていると…一気に記憶が甦ってきた。
「………ああぁっっ!!」
潤「んぇっ!?なに!?」
大声で潤が目が覚める。
「やだ…何してんだ俺…最悪…!」
自分の恥ずかしい記憶に頭を抱える。
潤「翔…どうしたの?」
潤が掠れた声で俺に声を掛けた。
「………恥ずかしくて死にそう…」
俺はもそもそと起き上がり、胸まではだけた浴衣を整える。
脳内を昨夜の記憶が駆け巡る。
酔っ払い…潤に甘えて散々えろい事した…。
家じゃ絶対出来ない様なセックス…。
俺…俺あんな…あんな淫乱なんだ。
まるで娼婦…。
すると後ろから潤が抱き締める。
潤「………昨日…最高だったな」
「やだ…思い出したくない」
潤「何で?」
「あんな…娼婦みたいなの…」
潤「確かに凄かったな…『しょぉじゅんじゅんのおてんてんたべたぁい』なんて」
「もー言わないで!やだやだ!」
耳を塞ごうとするけど…後ろから押さえられる。
潤「何で?いいじゃん…可愛かったしえろかったし…録画もしてたしね。ちゃんと写ってるか確認しなきゃ」
「やだ馬鹿!消してよぉ」
潤「いいじゃん翔。俺にしか見せないんでしょ?俺しか知らないんだよあんな翔…。最高だよ」
「潤…幻滅しないの?」
潤「何で。する訳ないよ。それどころかもっと好きになった」
「………え…」
潤「だってさ…お酒のせいもあるけど…俺だからって…あいてが俺だからってそう自惚れたら…凄く嬉しいから…」
振り返り、潤を見上げると照れたように微笑んでた。
「………自惚れなんかじゃないよ…潤…」
俺は正面から潤に抱き着いた。