第14章 生涯一度の恋
ー翔sideー
「………」
和「………」
「………はは…」
和「………はは…」
キッチンに漂う微妙な雰囲気。
「えと…じゃあ味噌汁頼もうかなにの…」
和「そ、そうですね…はい…」
気まずいままお互い朝食の準備をする。
「………」
和「………」
「まぁ…何だ…あれだよね…」
和「はい?」
やっぱ沈黙には耐えられないなぁ…。
「智くん…激しいね」
和「あー…いやいや潤くんこそ…」
「ちょっと喧嘩っつーか…太陽におっぱい飲ませるななんて言うからさ…」
和「え?」
「我が息子に嫉妬してるなんてありえないよなぁ…」
ブツブツ言いながら俺は魚を焼いていた。
和「ふはっ、潤くんぽいですね。いいじゃないですか。愛されてる証拠って事で」
「そうなのかなぁ…」
和「まぁ、さとしまで燃えちゃったのは困りましたけどね」
「ごめんよ」
和「いいえ。でも何か…婚約してから順風満帆で…えっちの回数も増えたんですよね」
「へぇ…そうなんだ」
和「どちらの親にも喜んで賛成されて…事務所にもそこまで怒られなかったから…翔さん達と違って物事がスムーズに行き過ぎて逆に怖いですよ」
「羨ましいよ。このまま順調であれば良いね」
和「はい」
後は相葉くん…。
彼も早く…過去の恋に縛られずに新しい恋を見つけてくれたら…。
リビングでまだイビキをかいてる彼を一瞬見ながら俺は朝食を仕上げていった。