第9章 ♠熱が・・・
雅紀side
松潤の手が再びバッグをガサゴソ始めたかと思ったら、なにやらケースを取り出す。
幾つかに小分けできるらしく、それぞれ蓋に細かい字が書いてある。
その中の一つの蓋を開けると、錠剤を取りだし、これまたバッグから出てきたペットボトルの蓋を開けた。
そして錠剤と液体を口に含むと、俺の口の中にそれを流し込んだ。
俺はそれを音を立てて飲んだ。
「上手に飲めましたね~、雅紀くん」
多分さ、松潤は今お医者さんのテンションなんだろうけど、なんだか段々バカにされてる気分になってきた…(-_-)
「あ、そうそう! これも貼っときましょうね~」
実に楽しそうに取り出したのは冷えピタ。
セロハンをペリッと剥がして、額に張り付けられると、ほんのりメントールの臭いと、冷たさで鼻がツンとなった。
「これで暫く様子をみましょうね?」
「あい…(はい…)」
もうとことん付き合ってやるさ!
なぁんて思ってるうちに、薬が効果かなのか、睡魔が襲ってきた。