第9章 ♠熱が・・・
どれどれ?…なんて言いながら、おでこに触れた手が、冷たくって気持ちいい。
「雅紀、熱あんじゃね?」
溜息混じりの、ちょっぴり呆れた口調だけど、怒ってる訳じゃないんだよね。
「体温計は?」
う~ん、どこやったっけ…?
「えへへ…」
「あ、そ…。ま、あっか…」
笑って誤魔化したこと、しっかりバレてる…f(^_^;
松潤は持ってきたバッグをガサコロ探ると、シャキーンとばかりに体温計を出した。
「はい、お熱計りましょうね~」
トレーナーの襟元から、脇に差し込まれる体温計がくすぐったい。
1分もかからずに体温計がピピッと鳴った。
「さぁ、何度かな?」
液晶には38.5の表示。
思ったより俺の熱高かったみたい。
「う~ん、これはいけませんねぇ~」
松潤が俺に、あ~んして、ってジェスチャーで伝えてくる。
俺は‘’あ~ん‘’って声に出しながら、口を大きく開けた。