第5章 ♦マイクが…
同じパートを歌うだけあって、どの曲が不安なのかは良く分かってるつもりだ。
二本のマイクのうち、一本を松潤に手渡すと、喉を潤すために、ジョッキのビールを一気に煽った。
イントロが始まり、敢えて他メンバーのパートは歌わずに…
なんて思ってたら、突然曲があり得ないスピードで流れ始めた。
「えっ、何なに!? 壊れちゃったの!? えっ…」
焦りまくる俺…
「早送り、って機能があるんだって…」
呆れ口調の松潤…
あ、そうなのね…
便利な世の中になったもんだ…
リモコンはあっさり松潤の手に渡ってしまった。
その後、お互いのパートを何度も確認しながら、繰返し歌った。
その頃にはすっかり酔いも回ってきてて…