第22章 グラジオラス
Sho side
リフトの上でするキスは…
後ろの人は絶対見えてるし
必要以上にくっついた躰だって
はたから見たらおかしいんだろうけど…
ようは俺達だってバレなければ
何の問題もない
そんな想いが俺達の行動を大胆にしていた
翔「平気だよ?…潤がいるから…」
揺れるリフトの上で
握ってくれた手に
しがみつくように躰を寄せれば
俺の躰を抱え込んで
背中に手を回して支えてくれる
たまには,こうやって甘えてみるのもいいかな…なんて思う
見上げると嬉しそうに笑っていて
同じ想いなのかな?って思えて嬉しい
潤「着くまで…こうしてようね?」
優しい言葉が
ツンと冷たい空気を
溶かすように俺を温めてくれた
10分以上のリフトも
二人で乗ってればあっという間で
寒さを感じることもなく
頂上付近まで到着した
せっかくだから…と
もう一つ短いリフトに乗って
頂上までいくと
青い空の下,白銀に輝く山々と
その合間に見える温泉街が
パノラマのように広がっていた
翔「うぁ…すげー!!」
思わず夢中になって
デジカメのシャッターを押した
潤「翔くん,見て見て~可愛いのできた!!」
少し離れたところから声がして…
俺が写真を撮ってる間
潤が夢中になってたのは
…雪だるま…?
…可愛いね,可愛いけどさ…
それを作ってるお前が可愛いよ…?
思わずカメラを向けて
写真に収めた
…誰にも見せない,俺だけの宝物…
頂上まで来て滑らずに遊んでるのは俺達くらいで…
人が少ないのをいいことに、しばらく隅っこで
普段はできない雪遊びを堪能した