第3章 コチョウラン
Sho side
翔「…はぁ…」
俺と交代に撮影に入った潤を見ながら溜め息しか出ない
雅「翔ちゃん,そんな溜め息ついてると幸せ逃げちゃうよ?」
雅紀が俺の肩に腕を組んでくる
それに凭れながら
クールにかっこつけてる潤を
可愛いなぁと眺める
つい潤の唇ばかり目で追ってしまう
あの時…
熱を帯びた潤の唇は
触れると溶けてしまいそうで
そっと重ねただけ
それでもその柔らかさに
頭が痺れたような感覚に襲われた
思い出しただけで
背筋にゾクッと痺れが走る
躰がビクッと跳ねて思わず凭れていた頭を起こした
雅「え?何?どーしたの??」
ビックリした雅紀が俺を覗き込んでくる
「翔ちゃん?」と微笑む表情にホッとして,正面から抱きついた
翔「はぁ~~~~」
欲求不満か…俺は…
まぁ…実際そうか…
雅「あっ,もう,また溜息ついてる~」
笑いながら雅紀は「よしよし」と背中を叩いた
和「なにイチャイチャしてんのよー?」
雅「へへー!良いでしょ~!」
和「じゃ,大野さん俺らもイチャイチャしよー」
智「んー?…わっ…なに?助けて翔くん!」
後ろに座っていたニノと智くんもワイワイ騒ぎ始めて余計な雑念が消えていく
潤への気持ちがばれないように…
とにかく気をつけなきゃ…
潤の視線を感じても
気づかないふりをする
視線が絡むと
ドキドキするのを抑えられないから…
でも…誰も気づかないところで
こっそり見惚れるくらいなら…
許されるかな…