第21章 アレキサンドライト
Satoshi side
もともと性欲はあまり強くなかったのに
ニノと触れ合うようになってから
溜まるのが早くなった気がする
―ピンポー…ン
部屋にチャイムが鳴り響いて
智「はい」
応答すると
和『大野さん,呑もうよ♪』
画面にはコンビニの袋を掲げたニノが映った
でもそれはニノも同じなのか
こうして頻繁に
呑もう,とか
暇だ,とか言って家に来る
和「ねえ,あのゲーム進んでる?」
ソファに腰掛けたニノが
キッチンでグラスを出している
俺に声をかけてきて
そうそう,と思い出してゲームを取り出した
智「コレ,進まなくなったんだけど」
順調に楽しく進めてたのに
次のステージに進む扉が開かない,と言うと
和「ああココね…アイテムが必要なんだよ」
電源を入れてニノが進めてくれた
智「そんなのどこにも書いてないじゃん…」
和「全部説明あったらつまんないでしょーよ」
これで進めるよ,とゲーム機が戻ってきて
ありがとう,と受け取る
誰も部屋にいれたくなかったし
1人でいるのが好きだったのに
隣にいるのがニノなら
苦痛なんて全然感じなくて
抱えちゃいけない想いが
膨らんできてるコトには気付かないフリをして
「「乾杯っ」」
ニノが買ってきてくれた缶ビールを開けた