第21章 アレキサンドライト
Kazunari side
散々,人を刺激しておいて
急に立ち上がって出て行くから
なんで…?と視線を向けると
ふっと悪戯っぽい笑顔が向けられた
おいで…と合図されて
疼く身体が我慢できるわけもなく
消えていく背中の後を追って立ち上がった
雅「ニノもお出かけ?」
後ろから聞こえる声に
和「オナカ痛い,トイレ」
と振り返らずに答えた
楽屋を出ると大野さんの姿がなくて
とりあえずトイレの方向に歩いてみた
2,3歩,歩いて…自分のズボンの中の状態に気づき
慌てて羽織っていたシャツを腰に巻いて隠した
もうっ…大野さんのバカっ…
前を隠しながら俯いて歩いていると
不意に目の前の扉が開いた
和「ぅあっ…すいませ…え?…わぁっ」
ぶつかりそうになって
謝ると,突然腕を掴まれて
部屋に引きずり込まれた
和「び…くりしたぁ…」
当然,犯人は大野さん
智「ふふふっ…あいてる部屋見つけた」
見渡すと,もともとは楽屋っぽいけど
色んなものが乱雑に置かれて
物置みたいになっている部屋だった
和「こんなとこで…誰か来たらどーすんの?」
智「隠れる」
自信満々に言うから
笑ってしまった
智「やめる?」
ゲームを中断しますか?
…続ける? …やめる?
そんな調子で普通に聞いてくる
そりゃぁ…俺が選ぶのは…
“続ける”
ガチャっと鍵をかけて
大野さんを扉から死角になる場所にひっぱっていく
和「シて?」
首に腕を絡めて,唇を塞いだ