第2章 リナリア
Jun side
翔くんの膝の上に座ってるニノと
背中にぴったりくっついてる相葉さん
そしてやめろ,と言いながらも
笑って受け入れてる翔くん
もっと抵抗してよ
俺だってもっと翔くんに触れたい
俺だって翔くんと2人で呑みに行きたい
甘えられないでいるのは俺なのに
ニノと相葉さんに醜い嫉妬を向けて
あげく先輩にまで嫉妬して
潤「ちょっと…トイレ」
目の前の光景を見ていたくなくて
少し頭を冷やしたくて
智「いってらっしゃい」
リーダーにだけ伝えて楽屋を出た
トイレになんて用は勿論なくて
フラフラと建物の中を彷徨いながら屋上に出た
朝は降っていなかった霧雨が躰にあたって
その冷たさで少し気分が落ち着く
戻らなきゃ,と思うのに
あの光景がまだ広がってたら,と思うと
戻る気にはなれなくて
リーダーから
[そろそろ始まるよ?]
と連絡が入ってようやく屋上を後にした
戻った楽屋は賑やかで
もうあの光景はなくなっていて
ホッとしていると
雅「松潤,濡れてるじゃん!どこにいたの?」
髪だけでも拭きなってタオルを渡してくれて
潤「…ありがと。ちょっと屋上に…」
智「あれ?トイレじゃなかったの?」
潤「ああ…いや,その後…?」
風邪ひくよ,とみんな声をかけてくれて
ふと動かした視線の先
こっちを見ていたっぽい翔くんと
視線がぶつかった
でも俺と視線が絡まると
ハッとしたように慌ててその視線はそらされた