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センニチコウ-変わらない愛を永遠に-

第58章 ストック


Sho side

潤がラグの上に倒れて…様子がおかしい…

翔「潤っ…」

手をのばそうとしても

潤「ゃめて…っ…っ」

記憶と混ざってるんだろう…
余計にもがき,苦しそうに呼吸を繰り返した

和「翔くんっ」

皆が慌ててリビングに戻って来る

潤「ぁ…はぁっ…はぁっ…苦し…っ…はっ…息…できな,よ…っ……は…ぁ…っ…助け…っ」

潤の手が首元を抑えてもがく

雅「過呼吸だっ」

雅紀がバタバタとキッチンへ向かった

翔「潤,ごめんっ」

首を掻きむしりそうな手をぐっと掴んで自分の胸の中に躰を抑えつけた

翔「潤…大丈夫だから…」

抱きしめることは逆効果なのかもしれないけど
これしかできない…

潤「やっ…はぁっ…やめ…っ…は…っ…」

時々思い出したように俺の腕から逃れようと暴れて躰に痛みが走る

それでも…俺には抱きしめることしかできなくて…

翔「…潤…大丈夫だよ…大丈夫…」

耳元で何度も囁いた

雅「翔ちゃんっ!これ,鼻と口に当ててっ」

雅紀が小さめの紙袋を俺に差し出した

過呼吸…そうか…

やっと回らない頭が回り出して
受け取った袋を暴れる潤の口に当てた

潤「っく…ぁ…はぁっ…やぁ,ぁ…はっ…はっ…」

それでも上手く呼吸ができなくて
潤の手が何度も俺を殴る

智「松潤っ…大丈夫…」

和「潤くんっ」

皆が周りを取り囲むと
余計に潤の苦しみ方は激しさを増す

翔「潤っ…」

酸素を吸い過ぎて
ぱくぱくと開く口に
鼻を抑えて自分の口を押し当てた

潤「っ…ぅ…っく…ふ……」

俺の腕を強く…
抉れるかと思うくらい潤の手が掴む

翔「っ…ふ…ぅ…」

それでも抑えつけるように
潤の呼吸を塞いだ

俺の中で潤が呼吸を繰り返して

しばらくすると
躰の力が抜けて

ずるずると躰が胸の中に落ちていった




智「翔くん…口…血が出てる…」

シンとしたリビングで
智くんがそっと動き出した

和「水…もってくるね…」

雅「ここ,寝かせよう…?」

雅紀が手伝ってくれて
潤をソファに寝かせた


最初はどこまで話すべきか迷っていたけど

俺は結局…
10年前の事も今回専務と話した事も
皆にすべてを話した


雅「話してくれてありがとっ…」

和「そんな奴に負けたくない…」

智「大丈夫…皆…一緒だからね…」

皆の優しい涙が
俺の痛みを癒してくれた
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