第49章 カカオフィズ
Ken side
斗真は同じジャニーズでも
俳優として活動してる
だから年末のいくつかの音楽番組にも
出演はしない
あれっきり斗真もうちの楽屋に来ることはないし…
…会おうとしなければ会えないんだと
今更ながらに気づいた
嵐と何度か顔を合わせて
それとなく松本や櫻井に
斗真元気?とか聞くのがやっと…
潤「健くん連絡先知ってますよね?連絡してやってくださいよ…」
そう言われても…
斗真のスケジュールもわからないし
何から切り出せばいいかわからない…
そんなことを考えてるうちに
年は明けて…
斗真の顔を見ないまま
2か月以上たとうとしていた
「三宅さん,さっき櫻井くんのマネージャーからコレ…預かりました」
滝沢歌舞伎の稽古の帰り
マネージャーの車に乗り込むと
一枚のCDを手渡された
健「なんで…嵐の新曲?」
「ぜひ,ビデオクリップ見てくれって…あと,オフを教えてくれって言われて…教えちゃいましたけど…良かったですか?」
健「…はぁ?」
俺にも都合ってもんがあるんだけど…
健「てか…もう教えたんでしょ?」
「はい…まぁ…櫻井くんだから…いいかな…と…あ,でもまだマネージャーに口止めすれば…っ」
健「いいけどさ…」
予定はないけどね…
ったく…うちのマネは…
家に帰って…
すぐに嵐のDVDをセットした
最初に画面に映ったのは
女の子をのせたタクシー…
と、斗真…
その切ない表情が…
あの時の飲み会とかぶって
心臓がギュッと掴まれた