第3章 3
Kazunari side
電話の内容は嫌でも聞こえる
でもあえて部屋を出ては行かなかったし
智もその場で電話をかけた
智「わかった
…もう連絡とるのもこれきりにしよう」
その冷たい言葉に胸の奥がざわついた
普通に考えれば俺にとっては嬉しいはずの
そして状況的にも当たり前の,その言葉
でも,智は本来そんなことを言う人ではないし
いつもより低くひきつったその声が
怒りと苦しさをものがたっていた
電話を切ると俺を呼ぶから傍に座る
二人とも何も言わずに
ただ前を見て座っていた
しばらくして,目の端で
智の手が震えてるのを見つけた
和「…怖い?」
そう聞くとギュッと拳を握りしめた
智「悪いのは俺だから」
一度瞳を閉じてから
まっすぐ前を見て言う
智「何が悪かったのか…ちゃんとわかったから…」
…ありがとう…ごめん…
小さく,でもはっきりと俺を見て言った
智「みんなにも,もう一回謝らなきゃ…」
…大丈夫だよ…
そう言ってあげたい
でも,そんなこと言えない
だってどうなるかなんてわからないから…
あなたはきっと
これからもいっぱい傷つく
それだけのことをしてしまったから
でも
和「あなたが大野智で居てくれる限り…
俺達は誰も離れてはいかないし
嵐は何も変わらないよ…」
今のあなたになら
また着いて行こうと
そう思えるよ
きっと,みんなも
智「…かず…なり,は…」
消え入りそうな声で呟く声が
微かに耳に届いた