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大野さんのバカ

第4章 4


Kazunari side

ギュッと握られる手の温かさを感じて
同じように握り返しながら目を開けた

目の前には真っ黒な瞳で
じっとこちらを見つめる
愛しい人の顔があった

和「おはよ…」

笑って言うと
ホッとしたように「おはよ」と
小さく返してきた

まだ…不安?
それとも,夢だった…とか思ってる?

和「眠れなかったの?」

その問いには小さく首を振った

求めて,求め合って
今迄伝えられなかった想いを
熱を吐き出しながら
何度も伝え合った

吐き出した熱もそのままに
お互い何も身につけないで
いつの間にか眠りに落ちていた

かろうじてシーツの中に居たことに安堵する

未だ不安の色を隠せない
智の腕の中へ躰を滑らせて
ギュッと抱きつく

和「何があっても,傍に居る,から…ね」

智の胸に顔を埋めながら
言葉にして伝えることを意識する

俺を包む腕が微かに震えて
その後,きつく抱きしめられた

外はもう明るくて
東の空には秋だというのに
鋭い光を放つ太陽が昇っていた

気怠い躰を起こして
シャワーで綺麗にする

智「躰…大丈夫?」

心配そうに聞く智に「大丈夫」と
笑って答えた

智は絶対に俺に無理をさせないから
辛い部分なんてなかった

最初は疲れから怠かった躰も思考も
ルームサービスで
簡単な朝食をとる頃には
スッキリとしてくる

智の顔つきも,不安より
覚悟と決意の方が強くなっているように見える

智「少し早いけど…先に皆に話がしたい」

そう言う智に頷いて一緒に部屋を出る

廊下には誰も居なかったから
少し離れた潤くんの部屋まで
手を繋いで歩いた
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