第22章 オレンジscene1
夜、ニノが寝入った後、俺は夢のことを考えた。
あの夢はいったい俺に何を言いたかったんだろう。
ニノと出会えたことを感謝するためだったんだろうか。
ふと横をみると、幸せそうな顔をして寝ている。
頬を撫でる。
夢の中で、怪我をしたニノの頬に触れなかった。
今、存分に触れる。
幸せにできてるんだろうか。
窓の外を見ると、桜が満開に咲いていた。
青春の甘酸っぱい思いが、こみあげてくる。
あの頃夢想した自分になれているのだろうか。
俺は自問する。
愛する人が傍にいる。
幸せにできているのだろうか。
答えは、まだでていない。
【END】