第13章 マロンscene1
「なあ、和也。俺達は男だ。でも、俺たち…その…」
「?」
「あ…愛し合ってるだろ?」
「潤…」
「ベタなセリフだけどさ、愛があればなにもいらなくね?」
「うえっ…でもぉ…潤ぅ…」
また和也が泣きだした。
「もー!わかった!」
俺はぎゅっと和也を抱きしめなおした。
「好きだよ、和也。大好き。愛してる。お前なしじゃ生きられない」
「ちょ、ちょっと、潤!?」
「好きだ!好きだ!好きだ!愛してる!」
「潤!?」
「お前がいなかったら、俺になれない」
「っ…潤…」
和也の腕が俺に巻き付いてきた。
「潤…もっと、もっと言って」
「好きだよ、和也。和也しかいらない。他はなんにもいらない」
和也の腕に力がこもる。
「好きだよ。好きだよ。好きだよ」
ぎゅっと俺を抱きしめた。
「愛してる…」
そのまま俺たちは抱き合った。
ぎゅっとぎゅっと抱きあった。
「お前しかいらないんだよ」
「潤っ…」
このまま死んだっていい。
和也さえいれば。
地球が滅びて、ふたりきりになったって生きていける。
ふたりなら。