【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ
第2章 途切れた連絡手段
「なら、別に連絡できなくてもいいだろ?」
「そっ、それは……」
それは、寂しい。
お兄ちゃんと一日話せないなんて、ありえない。
おやすみ、おはようしか言えなかった期間があったけど、本当に辛かったよ。
「やっぱ、今後一切接触禁止な~?」
その後、どんなに「メールだけ!!」と言っても二人は「駄目」の一点張り。
それでも、絶対手を上げようとはしなかった。
ずっとあそこに居ても仕方ないから、と店を出たけど、その時も最初と同じ感じでエスコートされてたし。
しかも、他人と話す時には元の機嫌に戻るから、案外冷静に話していたんだろうね。
「そうだ、君らのお父さんは?」
「他の組に用事があるとか言ってたなぁ」
車に乗った時には、二人の機嫌は元に戻っていた。
切り替わりの速さに驚いた。
「服が濡れたから……、先に買いに行くか?」
「あー、それもそうだなー。しょーじきさぁ、ボーイッシュすぎて、もうちょっと可愛い格好がいいよねぇ~」
スカートかぁ。
お兄ちゃんが、私は足が長くてスタイルがいいって褒めてくれたから、ズボン以外履かないようにしてたんだけど。
まぁ、当分お兄ちゃんに会えないし、スカートでもいっかー。
「そういえば、何日くらい泊まるの?」
「さぁ~、知らねっ。俺らなぁんにも聞いてないからねー」
「そうだなー。君が貰えるって聞いたからついてきただけさ」
その時、ふと考えた。
だって、この人達とは一回も会ったこともない。
「あのさ、なんで私にこだわるの? 好きな子居ないヤクザの娘とかいっぱいいるし、紹介するけど」
「ん? 口説いていいのか?」
「なんで、そうなるの!」
「えぇっ、やっぱ俺のこと気になる~? 色々教えてあげるけどー?」
「ちーがーいーまーすー!」
まぁ、なんで私にこだわるのかは気になる。
後ろ盾が白虎組っていうのは、理由の一つに入ってるだろうけど。
でも、どんなに聞こうとしてもかわされるばかりだった。
やっぱり、利害が一致するのが私なんだろうけど……、それならきっちり言ってほしい。
言ってくれたら、お互い別に愛人とか作って楽しく暮らすのに。
割りきった関係って、嫌いじゃないよ。