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【おそ松さん】六つ子のお姉様は女神様

第3章 女神様、見えるようになる


そして、場所は移り、神々の住む島。
ヴィクトワールとシャンスは、とある建物前で唸っていた。

ヴィクトワール「お金が足りない!!」

シャンス「姉さん使ったら、階級下がるから駄目だって」

そこは、天界の売店。
実は、神は下界で働いて、稼いだ金を階級につぎ込んだり、新しい道具を買うのに使ったりする。

ヴィクトワール「シャン、お金ある?」

シャンス「うーん、ぎりぎりって感じ。この頃、稼いでないからなぁ」

ヴィクトワール「使ったら、階級下がる?」

シャンス「確実に下がる」

双子神は、肩を落とした。
目の前には『神の目薬』と書かれた商品が置いてあった。
いいなぁ、ほしいなぁと双子神は捨てられた子犬のような瞳で見続けた。

そして、そのまま一時間が過ぎた。
無人だった売店に、人が戻ってきた。

「あら、アンタ達ずっと居たの?」

ヴィクトワール「えぇ。マスターのために、これがどうしても必要なの」

シャンス「そうそう。おばちゃん、ちょっとだけでいいからまけてくんない?」

双子神は、うるうると子犬のような瞳で売店のおばちゃんを見つめた。
すると、おばちゃんは困ったように頬を掻く。

「これね、人気商品なんだよねぇ」

ヴィクトワール「そんなぁ……」

「うーん、神の目を持ってない人間に持たせる薬だから、とても人気があるんだよ」

シャンス「姉ちゃんのマスター、神の目が天然物なせいで、兄弟達から色々言われて困ってんだよ……」

ヴィクトワール「おばちゃん、お願い……!!」

また、うるうるとした捨て犬のような瞳で、おばちゃんに迫る双子神。
そんな双子神を見て、おばちゃんは苦笑した。

「あぁ、もう仕方ないねぇ。この呪文書、持っていきな」

そう言われ、差し出されたのは使い古された魔法呪文書。

「それの最後のページに、姿を見せる呪文が書いてある。それ、使いな」

シャンス「おばちゃん……、ありがとう!!」

ヴィクトワール「わぁ、ありがとう……!!」

双子神は、玩具を与えられた子供のような笑顔で笑うと、売店のおばちゃんに手を振って下界へと飛び去った。

「――はぁ。あの子達ったら、いつになったら成人神っぽい立ち振舞ができるんだか」

そう言いつつも、おばちゃんは優しげに笑ってた。
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