第12章 第11章
「おかしいと感じなかったのか、青峰」
「は?」
「彼女は、好きな人の名前を言ったのか?」
「言って、ねぇ」
「彼女が、他の人を好きになる時間がいつあった?」
「……は?」
「桃井、彼女は青峰の彼女になったときから部活を必ず見ていたんだろう?」
え……
なんで、知ってるの……?
「そう、だけど……どうして?」
「それは、別れたあとも続いていたんだ」
「「は/え!?」」
大ちゃんと私の声が重なった。
「前と見る場所は変えていたが、確かに見ていたと桜井君から聞いている」
え、つながってるの?
そこにビックリだよ!?
「それに、差し入れも続いていた」
「……差し入れは良が作ったって……」
「そう言って渡してくれと頼まれていたそうだ、彼女に」