第14章 Ho bisogno di te. 南伊
「……女なんてな、とうの昔に捨てたんだ。あまり甘くみんなよ」
「ち、ちぎっ………!?」
スペイン産のトマトみたいに顔を真っ赤にしたロヴィーノは、泣いている時よりも遥かに可愛くて、愛おしくて。
ああ、やっぱ…泣いてるよりもその方がいい。
好きなやつの泣き顔より、笑顔のほうがいいって当たり前だけどね。
それでも思うんだ。
いつか、コイツを幸せにしたいって。
自分の評価なんて気にしないでいれるような世界にしたいって。
「んね、ロヴィ」
「あん?んだよチクショー」
「Ti Amo.
(お前を愛してる)」
「なっ?!」
「Vuoi metterti con me?
(付き合って欲しいんだけど?)」
とりあえず今は、大好きだって事を伝えときたい。
少しでも、自分が愛されてるって実感して欲しいから。
End