第7章 おそ松くんとの帰り道
「待ってよ、おそ松くん!」
私はまたおそ松くんの後を追うようにして歩いていた。そして、
「おそ松くんの家、駅と逆方向なんでしょ? なんでわざわざ……」
おそ松くんは、
「いやだって、もう暗いよ。こんなところ1人で歩いてて不審者みたいなやつに出くわしちゃったらどうすんのよ。だから俺が駅まで送ってやるから。安心しろ。それにここ、俺の地元だから、危ないとか結構分かっちゃうんだよねー」
と言う。つまりおそ松くんはこの付近に住んでいるというわけであった。ちなみに私たちの通う高校は田舎の方にあり、電柱の灯りも不安定に灯されている。
「あっ、でもごめん。迷惑だった? なら初めからちゃんと断ってよね……俺だって男だし。けど松野ちゃんみたいな可愛い子が1人で歩いてた方が変な男寄るってか……だから俺が守ってやれるってかその……」
おそ松くんはそう言いながら段々と顔を赤くしていた。それは電柱の少しの灯りでも確認できた。
(てか可愛いか……)
私も少し照れてしまった。異性からそんなことをあまり言われたことがないから。
「迷惑だなんてそんな……ことないから。私元々暗いところ苦手だし。だからおそ松くんいてくれて安心したよ。ありがとう」
私はおそ松くんに感謝を伝えた。おそ松くんは、
「おっ、おう……ならよかった……」
また顔を赤く染めていた。