第2章 愛しい人を脳裏に映しつつ……
トド松「おそ松兄さん、くるしー!! 離して!!」
ジタバタと暴れるトッティ。
でも、どことなく仲良し兄弟は雰囲気は感じ取れる。
「で、ど、どういう状況で……?」
別に、トッティは誰とも付き合ってない。
なのに、何故か裏切り者。
何故だろう?
おそ松「えーっとねぇ、俺ら六つ子で全員童貞なんだよねー」
「へー、皆さんお揃いで、仲良いんですねぇ」
そうなんだ。
皆仲がいいから、近い時期に彼女を作ったり童貞を捨てたいのかー。
同性の兄弟って、そういうタイミング合わせるものなんだね。
おそ松「あのさ、別に好きで全員童貞な訳じゃないから。タイミング狙って童貞捨てたりしてないから」
考えてた事全て見ぬかれてるみたいで、なんだか怖いなぁ。
このお兄さん、なんだか鋭いや。
おそ松「うーん、この子には説明しづらいねぇ。変な方向行っちゃうんだよな……」
「なんだか、お手数おかけして申し訳ございません……」
ペコペコと頭を下げれば、「あぁ、どうもご丁寧に……」とお兄さんも頭を下げてくれる。
どうやら、私には理解しにくい出来事みたい。
男の子ってよくわかんないや。
まぁ、村にいる若い男の人は弟だけだし、しょうがないっかー。
うちの村、ほとんどお年寄りで構成されてるから……。
おそ松「まぁ、とりあえず末っ子が長男である俺を出しぬいて付き合うのが駄目。長男である俺はいいけど。まぁ、長男だし?」
「なる程!」
とりあえず、好きな子が居たらお兄さんに相談すればいいんでしょ?
私が付き合える程の人間か、お兄さんが試すってことかな?
うーん、でも魔法使えない劣等生だしなぁ、私。
おそ松「まぁ、とりあえず君が取る正しい行動はただ一つ!」
「は、はい。お兄さん」
おそ松「長男である俺と付き合うこと!」
「はい、何処行きます?」
し、試練かー。
何処で試練を受けるんだろう?
と身構えていると、後ろから笑い声が聞こえてくる。
後ろを振り向けば、さっきの紫色の髪の人だ。
「俺、一松。四男だから、よろしく」
目が合えば、ヒラヒラと手を振って挨拶してくれた。
お兄さんと違って礼儀正しいね。
おそ松「うーん、この子落としづらいねぇ。全く……」
トド松「だから、ずっと狙われないように時間かけてきたって言ったじゃん!! 腕どけてよ、邪魔」
