第3章 黒子テツヤの双子の話
周りにいた人だかりはいつの間にか居なくなっていて、青峰たちはたちのそばに立っていた。
ここから避難しなければならない。
ならないのだが、目の前で起きた出来事に足が竦み、さらに人が血を流して倒れていることは、平和な日本では滅多にない出来事。
だが、その光景は誰かの手によって塞がれた。
「見るな」
そのまま後ろへと体を向けさせられた。
その手がトウヤのものだと、はわかった。
だが、その彼の言葉は悔しそうな、そんな心情が聞こえてきて、塞がれたままの手はいつもより冷たく感じた。
「ここから避難しよう」
トウヤの一言により、テツヤたちは動き出した。
何事もなかったかのように、振る舞う彼はこの光景を気にしてないのか、それとも見慣れているのか。
はじっと、彼の後姿を見ているだけだった。