第16章 私の答え
あの約束を一度たりとも忘れたことは無い
こちらの世界に来てからは色々有りつつも毎日が楽しかった、
皆と騒いで、遊んで、恋をして、
臨也には感謝している
一時でもこんな私に幸せな時間を与えてくれたんだから
………ビル風が強い、手もかじかんでいる
私の手よりももっと冷たい鉄の手すりに手を乗せる
私が冷たくなるのも一瞬なんだろうな
私が手すりを越えようと足をあげた時だった
先程登ってきた階段から足音が聞こえた
「誰?」
「俺だよ、俺、もう忘れちゃったかい?」
忘れると思ったのだろうか
忘れられるとでも思ったのだろうか
裏切られても裏切られてもまだ愛しい貴方を
「臨也………」