第1章 ルイ短編 morning glow
「・・・・・・んっ・・・」
分厚いカーテンの隙間から
容赦なく射し込む朝日が瞼にかかって、
微睡みから目覚める。
「・・・・・・・・・・・・」
背中に感じる温もりと
腰からお腹に回された腕に
拘束されていることに気づいて、
私は小さく息をついた。
くるりと体を反転させると、
いつもより少しだけあどけなく見える
整ったルイの寝顔が
鼻先が触れそうな距離にある。
(いつ見ても、ほんと綺麗。でも・・・・・・)
その寝顔からは、
疲労の色が見て取れた。
(本当はもっと寝かせておいてあげたいけど・・・)
躊躇いながらも、
私はルイに声をかけた。
「ルイ、起きて」
ルイ「ん・・・・・・」
ルイは少しだけ身じろぐけれど、
起きる気配は全くない。
(もう・・・、ほんと寝起き悪いんだから)
「ルイ。私、公務に遅れちゃう」
少しだけ力を込めて胸を叩くと、
長い睫毛が揺れて
ゆっくりとルイが、瞼を持ち上げた。
「・・・・・・おはよう、ルイ」
まだ夢の中を彷徨うような
ルイの瞳を覗き込むと、
ぎゅっと腰に回された
腕の力が強くなった。
ルイ「・・・・・・・・・駄目。まだ、このままでいたい・・・」
私の胸に顔を埋めながら
掠れた声でルイが呟く。
「ちょっと、ルイ・・・くすぐったい・・・・・・」
ルイの柔らかなブロンドの髪が
素肌に触れてくすぐったい。
そのうちに、
ルイの指先が肌を撫で始めた。
(いつも・・・、こうやって流される・・・・・・)
胸に顔を埋めたままの
ルイの頬にそっと触れると、
やっとルイが顔を上げた。
ルイ「・・・・・・?」
「・・・今日は駄目」
ルイの瞳をしっかりと見つめると、
ルイは静かに睫毛を伏せた。