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ホテルの事情[R18]

第9章 愛初〈 BL 初恋  未練     etc...?〉




     昔から、少年の身体が描かれる絵画が好きだった。



まるで死体のような白い肌。その少年が、瞳を少しだけ開けて、丸まって横たわっていた。

あばらが少し浮き出ている。ややはだけた服から、それを確認できる。

僕は、それに釘付けになっていた。

僕の内緒の趣味。

僕は、少年が描かれた絵画の、何か神秘的なモノに惹かれていた。

「オイオイオーイ!まぁたエッチな本読んでらッ!?」

...ヤンキーかぶれのクラスメイトが、オレンジのリーゼントを揺らしながら、僕の世界をジャマしてきた。

ここは賑やかな教室。

皆と同じような行動をしなければ、ほぼ人権が無いといっても過言では無い処刑場だ。僕は今からこの男に断罪されるのだろう。

「キサマが考えるエロ本などでは断じて無い。下賤な物と同じにするんじゃない、馬鹿者。」

と、僕ははんっと笑った。

内緒の趣味。

そうだけど、少年の絵画を鑑賞しているのを知られても、傷つかない程度には、僕は大人になっていた。

...昔はこの趣味を悟られただけで、顔を真っ赤にして涙していたが。

「え〜ッ!?オレちんはそー見えなかったけどォ!?ていうか馬鹿モノって言われたゼ〜〜ッ!?」

と叫ぶリーゼント頭不良かぶれを無視し、僕はその場を去っていった。ふぅ..とため息をついて。

ーー教室から出た瞬間、ハッと、僕は瞳孔を開いた。


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