第33章 やるならみんなで
「この神社は?」
「中学の時みんなで初詣に来たのだよ」
「へー、ほんと仲いいな」
「3年の時は集まったが、2年の時会ったのはたまたまだ」
「しかも2年連続行ってんだ!?」
ゲラゲラと笑う高尾はいつものこと。気にしない緑間はそのまま神社へと進んで行く
暗く誰もいない神社の境内を巡り、おみくじ結び所というところの前で緑間が立ち止まった
「ここで幸せを分け合ったのだよ」
「…ふーん?どやって?」
「おみくじを利き手と逆の手で結ぶと吉になるのは知っているな」
「おう。高校の時真ちゃん言ってたよな」
「オレが上手く結べないところを苗字が利き手と逆の手で手伝ってくれたのだよ」
「へー、だから幸せを分け合った、ね」
その場から動こうとしない緑間に、本当に思い出深い場所なんだなと高尾は考える
しばらくして動き始めた緑間と反対方向を探すが彼女の姿はなく、合流すると今度は違う方向へと進み始めた
「あとここだ」
「なんだここ、公民館?」
「公民館ではないが、ここで赤司と苗字が百人一首で戦ったのだよ」
「はあ?」
事の顛末を聞いた高尾が「赤司も名前ちゃんもやべーな」と大笑いをしていたが、緑間はありのままを離しただけなので笑いもせず彼を置いて一応周りを確認する
結局そこにも苗字姿を見つけることが出来なかったので境内に戻り、彼女が無事に見つかるようにと神様にお願いをしてみた