第1章 あなたと永遠に……1
城門の前まで行くと2人の男の人が私たちを待っていたかのように立っていた。
「お前が佐助の女?」
「え?」
開口一番に不躾な言葉が浴びせられて戸惑ってしまう。
誰?
ずいぶんと失礼な人
私と佐助くんはそんな関係じゃないのに
「俺とかおるさんは友人関係だ。かおるさんに失礼だぞ、幸村」
「そうなのか?」
「こら、幸村。悪いと思ってたならきちんと謝るように言っているだろ__すまなかったね、綺麗なお嬢さん」
幸村と呼ばれた人の後ろからゆったりと歩いてきた男の人に軽く頭を小突かれた幸村さんは、気まずそうに一言「悪かったな」と謝ってくれた。
「お詫びのしるしだ__受け取ってくれ」
「え?」
私の手をとり、指先に軽く唇を寄せられてしまい目が点になってしまう。
「信玄様もやめて下さい」
は、初めて指先にキスをされた……
私の心臓が痛いくらいにドキドキとしている。
「ほんのお詫びの気持ちなんだが」
悪びれる様子もなく微笑むこの男の人からは、包容力がある大人の男っていう雰囲気が溢れているみたい。
「かおるさん、こっちの失礼な男が幸村」
「失礼な男って何だよ」
「そしてかおるさんに不埒な事をしたのが信玄様」
「不埒な事はしていないつもりだが……」
「かおるです……よろしくお願いします」