第6章 あなたと永遠に……謙信side2
かおるという女は不思議な女だ。
この城に来てから数日たつが、すっかりと城の人間に馴染んでいる。
信玄に至っては毎日のように入り浸っているようだ。
まあ、女好きの信玄なら当たり前の事だろうが、あの女の扱いを苦手とする幸村まで通っているとは不思議な気がしないでもない。
確かに興味深い生き物ではある。
俺の認識するどの女とも違うが、それは時代のせいなのか?
佐助から聞いた事はある。
戦のない平和な時代から来たと__
戦がない時代など退屈で俺なら死んでしまうぞ
生死の境にあってこそ、人は煌めいて生きていけるのだからな。
__女に興味がないわけではない。
俺の身も心も焼き尽くすような世界に誘ってくれるような女なら歓迎するが……
未だにそんな女に出逢った事はない
ただ、あの晩
俺の膝の上で間抜けな顔を晒して眠りこけているかおるの顔を見ていたら
何故だ?
心がざわめく
そんな感覚は生まれて初めてだ