第2章 〜Rute 越前リョーマ〜
練習が終わって。
明日は学校も練習もお休み。
久々に買い物でも行こうかなと、寮への道を歩いていると。
「ねぇ」
澄んだアルトの癖のある声。
それ程多く聴いたわけでも無いのに、誰かを特定できてしまうのは、私の記憶力が故か。
追い付いてきて、覗き込むように私を見る目は何処と無くキラキラしていて。
「明日、何か用ある?」
「ううん、特には」
「じゃ、付き合ってよ」
「うん、いいよ」
「よし、じゃ、駅前に9時ね」
それだけ言い残すと、片手を上げて去っていった越前君。
何処に行きたいんだろ。
テニスはまだ出来ないんだけどな…。
そんな事を思いつつ、寮へ戻った。