第6章 ☆ドールズのみんな☆
「なんで分かんだよ」
「だって、洸太朗君そーゆー顔しないもん。」
「...。」
実験は、悪魔だ。
ドールズの人間に相談しても、何も解決しない。
ただただ、その人にも苦しみを与え。
苦しみの分かち合い。
そんな存在。
負の連鎖である。
「────実験ってさ、すごい楽しい時も、あるよね。」
優香はなだめるように言った。
「私、1歳の頃から親がいなくて。いると信じたいんだけど、どこにいるか分かんなくて。」
優香は涙をこぼした。
「なんていうか、ほっとする実験...はへんだけど、何か親がそばにいてくれてるみたいで。私、そういう時は苦しくないの。」
洸太朗は、無言でうつむいていた。