第3章 素直になれなくて
宮田とは同期で、入社した頃からの付き合いだ。
入社初日に宮田の方から話しかけてきた。
「ねーねー!」
当時から明るい声とふにゃっとした笑顔が印象的だった。
「もしかしてさ、1年目の人ー?」
「そうですけど」
人見知りな俺は無愛想に返した。
「やっぱりー!俺も1年目なんだー!宮田俊哉。よろしくねー!」
「玉森裕太…です。よろしくお願いします…」
「ふはは!キンチョーしてんの?笑タメでいいよー!」
何となく、その雰囲気に気持ちが落ち着いたのか、俺は思い切って
「じゃあ、よろしく!宮田!」
そう言って笑いかけた。