第6章 ウェディングブーケ
『ねぇツッキー、あの女子アナちゃんと
この後ディナーに行くから、
どっか、セッティングしといてよ。
バレなくて、雰囲気いいとこね。
あ、そのあと
二人きりになれるとこもヨロシクっ。』
全日本の広報として仕事をする中で、
一番気を遣うこと。
それは及川徹の存在だ。
実力・見た目・スター性、まさに
3拍子揃った“トップクラスのバケモノ“で、
今の男子バレーへの高い注目度は
及川徹あってのこと。
だから、
彼の人気に傷をつけないことが大事。
…だというのに。
彼はその人気を、
惜しげもなく女性にふるまう。
バレー以外の時間は、
ほぼ、
女性と過ごしているといっても過言ではない。
それも、一人の女性とではなく、
いわゆる"手当たり次第"だ。
そんな彼が、
今まで奇跡的に
スキャンダルに見舞われずに済んでいるのは…