第19章 Marry me !!
…木兎と赤葦と3人で、あそこに来た。
あそこ。
赤葦が小春ちゃんにプロポーズした、
アウトレットモール。
あの頃
水着売場だった特設会場には
今、コートが並んでいる。
…あれからもうすぐ半年たつのか。
時間の流れって、あっという間だな…
あの日と同じように
今日も、
アッキーと
エリと
小春ちゃん、
姉妹のように仲良さそうで。
俺も、
木兎も、
赤葦も、
しばらく黙って、
その姿を見ていた。
考えてたことはそれぞれだろう。
でも、
自分の大切な人が、
自分の大切な仲間のパートナーと
仲良く一緒にいる姿を見るのは
本当に、嬉しい。
卒業してから
それぞれ選んだ道は違うけど、
高校の頃の俺たちと
なにも変わらない気分だった。
家族が増えても、
こうやって
ずっとつきあっていける仲間と出会えた、
梟谷の3年間。
あそこをスタートして、
いっぱい曲がり角を曲がって、
いろんな人と出会って、
ときには
別れたり離れたりして、
泣いたり笑ったりして、
また道が繋がって、
笑顔の数が増えて、
…それを繰り返しながら、
この道は、ずっと繋がっていく。
これからも、きっと。
『よし、行くか!』
いつも通り、口火を切るのは木兎。
『おっしゃ。』
俺が、合いの手を入れて。
『はい。』
赤葦が、それに従う。
かわいいかわいい三人組をナンパしに、
いざ、出発だ。