第18章 誓いの言葉
…あたたかな人肌の感触と静かな寝息。
これほど優しい気持ちで目覚めたのは
久しぶりの気がする。
横をみると、
京治さんの寝顔があった。
ここ…見覚えのある天井。
"木葉さんの隠れ家"のベッドルーム。
意識が飛んだ私を、
ここまで運んでくれたらしい。
…あ、私、腕枕されてる(//∇//)
なんだろ、
この幸せな感じ…
ずっと、
"すき"という言葉すら
申し訳ないと思っていた私にとって、
京治さんの腕枕で目覚めるなんて、
もう、まさに"夢なら覚めないで"
というくらい、幸せで…
まだ眠っている京治さんの髪を
そっとさわると、
"…ぅん…"と一言息を吐いて、
腕枕でギュッと抱き締められる。
無意識でも、
私を離さないでいてくれるんだね。
本当に、
この人は、
静かだけど、
人の心を掴む。
社会人としても、
一人の男としても。
木兎さんとは逆のタイプの
人を惹き付ける魅力があるよね…
…ん?
この話、どっかでしたような…
思い出した。
社長室だ。
社長も、木兎さんの輝きは
天性の才能だって言ってたっけ。
うちの会社にスカウトしたい、って。
木兎さんなら、
個性的で優秀な営業マンになりそう。
…京治さんはきっと嫌がるって
社長は言ってたけど…
もし会社に
木兎さんと京治さんがいたら
楽しそうだな。
そして、
もう1つ、思い出す。
『君は、
京治がやりたいと思っている仕事を
知っているかね?』
私、まだ京治さんのこと、
知らないことが多すぎる。
後で、きいてみよう。
後で、ね。
今はもうちょっと、
京治さんの腕枕で
…眠らせて…