第4章 夢の国ウェディング
高校を卒業して、
俺はトラックドライバーになった。
シマシマのシャツを着て、
大きなトラックで、毎日、荷物を運ぶ。
こう見えて、安全運転…
冴子姉ちゃんと比べて、だけどな。(笑)
この間、ある会社に荷物の集荷に行った。
荷物を積んでいると、
どこからか、賑やかな声。
『わー、トラック~』
『ブーブー』
『かっけーなー!』
…見回すと、隣が幼稚園らしい。
園庭と、この会社を仕切るフェンスの所に
黄色い帽子をかぶったちびっこ達が
しがみついてこっちを見ていた。
そーいや俺も、ちっちぇー頃は、
バスとかトラックとかミキサー車とか
見ると興奮してたっけ…とか思いだし、
パワーゲートをあげたり下げたり、
貨物室の扉を開け締めたりしてみせる。
その度に、ワーワー盛り上がるもんだから、
こっちもついつい、
あれこれやってみせたくなるんだよな~。