第3章 受け継ぎ婚
『…俺は1つ、
後悔してもしきれないことがあります。
それは、
男として一番大事な挨拶が出来なかった事。
アキのおとうさんに、
“娘さんを僕に下さい“と
頭を下げてお願い出来なかったことです。
結局、許しを得ないまま、
今日を迎えてしまいました。
今、きっとこの会場のどこかで
アキの晴れ姿を
見守ってくれていると思います。
だから、この場で言わせて下さい。
おとうさん、
アキさんを、僕に下さい。
必ず、幸せにします。
もし“娘は渡さん!“と思われた時は、
夜、枕元にでも姿を見せて下さい。
どんな理由でも、
おとうさんに会えるなら、喜んでお迎えします。
それから…
アキのお腹の中には、今、
おとうさんおかあさんの血を受け継いだ
子供がいます。
この子の未来も、どうぞ、そちらから
見守ってやって下さい。
おとうさんに挨拶出来なかった後悔を、
俺は一生、忘れません。
いつか俺がそちらの世界に行った時、
おとうさんに怒られないように、
一生かけて、家族を幸せにします!』
会場からは、大きな拍手。
中には、
ハンカチで目頭を押さえる人の姿も…
澤村様、
こんなにも男らしいご挨拶、
私も一生、忘れられません。
きっと、おとうさまも
大きな拍手で祝福して下さってると思いますよ!
澤村 大地様、アキ様、
どうぞ、末永くお幸せに♥